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10月例会  幸恵

兼題「虫」

虫すだく
    虫すだく長き不在の狭庭にも

 実家の母は、高齢のため独り暮らしが無理となり、色々の選択肢の中からホームでの暮らしを選んでもうウン年。お気に入りの家具やテレビ、冷蔵庫、電話まで持ち込んで、これまでの暮らしを少しでも維持しながら、見守りと安全な日々を過ごしている。私は、その母と空き家となった実家を訪ねる事が隔月の恒例行事となっている。
 人の住まない家は荒れると言われるが、荒れる事よりご近所様へご迷惑の掛からぬようにと、それが一番の心配事。恐る恐る覗く実家の庭は草ボウボウ。それでも季節を知って虫たちは大合唱。友人やご近所様のお力を借りて何とか維持しているこの家も、空き家問題に直面している。さてさて、どうなりますやら。


 写真俳句①
暮の秋-2
  母も老い我も老いゆく暮の秋

 その母も私も共に9月生まれ。この秋、お互い98歳と70歳になりました。一緒に暮らしてはいないけれど、ある意味の老々介護となり、穏やかな終末に恵まれるよう願うばかりです。


 写真俳句②
 冬支度-2
  山あいの軒に一山冬支度
 
 軒先に積み上げられた薪の束。この薪の使用目的はもしかしたら陶芸の窯にくべる物だったかもしれないが、長い冬への支度と詠みました。「一山」でなく、平仮名で「ひとやま」とした方が良かったかもと、後で気付く始末。漢字にするか平仮名にするか、それだけでも随分変わりそうですね。

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10月例会作品   春旭

  パンドラ
  「パンドラが箱持て余す神無月」   春旭

 写真の建物は、千葉市にある写実絵画専門のホキ美術館の外観です。この建物は、日本建築大賞を受賞しています。一本の支柱も無い、長い箱の様なユニークなデザインが印象的ですね。因みに、この中が当美術館の売り物の写実絵画のギャラリーになっています。建物も、中の絵画も一見の価値あり。凄いです。ご興味のある方は、ぜひ行ってみられることをお薦めします。

 さて句の方ですが、この長い箱のような建物をパンドラの箱に見立てました。ゼウスがパンドラに、あらゆる災いを封じ込めて人間界に持たせてよこした箱。「決して開けてはならぬ」と言われれば、パンドラでなくとも誰だって開けてみたくなる衝動に駆られますな。
撮影当日があまり天気が良くなかったのも幸いして、この怪しげな雰囲気を出せました。あらゆる災いが、これから吐き出される寸前を句にしました。さぞかし世界中に災いが飛び出して行くことになるでしょう。防ぎようがありませんな。何しろ、神様の居ない月ですから。
 この作品に、ふらりさん・みすずさん貴重な一票をありがとうございました。




  穴惑ひ
  「穴惑ひ北斎またも転居癖」   春旭

 「穴惑い」とは、蛇が仲秋を過ぎて寒くなってもまだ穴に入って冬眠せずに地上で徘徊していることです。
 写真のレンガの壁に空いた穴から、蛇の巣穴に発想をとばしました。
 穴惑いの季語をどう処理しようかと悩んだあげく、蛇にも負けない個性の強い葛飾北斎を取り合わせました。
 皆さんご存知の通り、北斎はその生涯で何と93回もの引っ越しをしたという逸話がありますね。どちらも、ねぐらが定まらない者同士として詠んでみました。果たして、響き合ったでしょうか?
 この作品に、石田さん・みすずさん貴重な一票をありがとうございました。

 余談ですが、北斎が転居を繰り返した理由というのが笑ってしまいます。北斎も同居していた北斎の娘も、およそ掃除や整理整頓の類が苦手で、家の中は散らかり放題にしていたそうなんですな。それで、ゴミやガラクタで足の踏み場がなくなると、仕方なく転居、また転居を繰り返したんだそうです。それを実に93度。いい加減に掃除ぐらいしろよ!とツッコミを入れたくなりますね。
 この話にはオチがあって、北斎の最後の引っ越し先は北斎が以前住まいにしていた家だったそうです。しかしその家は、北斎が以前住んでいた時と同じ状態で足の踏み場も無く散らかったままだったらしいです。ずっと借り手がなかったんですね。(笑)

Tag:例会  comment:2 

10月例会 作品 ミズキ

 例会俳句 兼題 「虫」
 虫の音を聞きつまどろむ膝枕  ミズキ
 
 虫の音が聞こえて来る縁側で、祖母の膝枕にまどろんでいる孫の気持ちよさそうな情景を詠みました。
 皆さん男性が女性に膝枕をしてもらっている情景を想像なさったそうですが、生憎そんな艶っぽい句ではなかったのです(笑)



人魚のアリア
  月の夜は人魚のアリア流れ来る ミズキ
 
  目黒雅叙園で開催された「和のあかり展」での一枚です。
 貝殻のオブジェに人魚姫の悲劇の物語を重ねました。恋に破れ、天に召された人魚姫が遺した「美声」が、月の夜になると何処からともなくアリアとなって、波に乗って流れて来るという情景を詠みました。
 この作品に、板見先生、貴重な一票をありがとうございました。



 夜学子
  夜学子に父の思いの握り飯  ミズキ
  
 こちらも上の作品と同じく目黒雅叙園での一枚です。
 地方の父子家庭に育った少女が主人公です。少女は諸事情があり夜学校に通っている。そんな少女と不器用な父親との間には普段あまり会話はない。しかし、父親は口にこそ出さぬが娘を思いつつ、いびつだが心のこもった握り飯でエールを送っているという物語を句にしました。
 ちなみに、この物語はフィクションであり、実在の人物(春旭)とは一切関係がありません(笑)
 この作品にふらりさん、悳子さん、伊都子さん、幸恵さん貴重な一票をありがとうございました。
 

Tag:例会  comment:2 

10月例会俳句   春旭

 今回の俳句部門の兼題は、「虫」の字を入れ込んで詠むという恒例企画でした。
 各人それぞれの虫が鳴き、賑やかな句会となりました。

 では、拙句の虫を写真付きで鳴かせます。

   夜毎に闇膨る
  「虫の声夜毎に細り闇膨(ふく)る」   春旭

 今回の兼題「虫」、私は虫の声を選択しました。闇の中で鳴く虫の声が盛んな時は、闇の比重よりも虫の声の方が勝っている様に感じます。
 ある意味、自分が闇の中にいるにもかかわらず闇の存在をどこか忘れている気がします。
 しかしながら、その虫が夜毎に減り鳴き声がか細くなり始めると、その分だけ闇の存在を自覚し出すということがありませんか?その感覚を、闇が膨れるという措辞で表現しました。
 ふらりさんが仰しゃった通り、その対比を細ると膨れるの言葉で句に持ち込みました。
 
 拙句を、伊都子さん・石田さん・ふらりさん特選に採って頂きましてありがとうございました。

Tag:例会  comment:0 

例会俳句部門結果 10月   春旭

 皆さん、昨日のフォト句会お疲れ様でした。4か月ぶりの開催となったせいか一段と力が入りましたね。
 お陰で大変盛り上がり、楽しい時間を共有することが出来ました。
 では、俳句部門の結果をご報告いたします。

  <10月例会/平成30年10月10日(水)  投句13名>
[兼題=虫の字を入れ込む]*順不同(敬称略)/カッコ内 特➡特選 並➡並選 得票数とその選者名

 独り聴く寂しさつのる虫の声・・・石田
 虫の音を聞きつまどろむ膝枕・・・ミズキ
 虫の声夜毎に細り闇膨(ふく)る・・・春旭(特3 伊都子・石田・ふらり選)
 虫すだく長き不在の狭庭(さにわ)にも・・・幸恵(特1 耕人選 並1 春旭選)
 虫博士少年今や介護課長・・・千賀子(並1 悳子選)
 一途(いちず)なる鈴虫飼うや虫嫌い・・・悳子
 諍(いさか)ひの戻らぬ言葉虫すだく・・・耕人(並1 みすず選)
 秋実り弱虫返上姉となり・・・伊都子
 秋虫に譲る木道尾瀬赤し・・・ふらり(並2 伊都子・幸恵選)
 しみじみとわが来し方やちちろ虫・・・みすず(特1 船橋選)
 何処(いずこ)まで鈴ころがるや虫の夜・・・彦阪(特1 春旭選 並1 耕人選)
 虫の声ピタリと止めて赤子泣く・・・船橋(特2 幸恵・悳子選 並1 耕人選)
 参道の虫の闇より墓に出づ・・・タケウマ(特1 みすず選 並2 船橋・ふらり選)

 以上10月例会俳句の結果を掲載しました。

 *次回12月例会の兼題は「初詣」です。フォト句会が偶数月開催ですので、たまには奇数月の季語も取り上げてみました。少々前倒しの季語ですが、皆さんの秀句の数々を期待いたしております。

 *各句に対しての感想その他など、コメントを頂けましたらと思います。何でもご自由に下記のコメント欄よりお書き込み下さい。

Tag:例会  comment:7 

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Author:銀座フォト575
偶数月 第3日曜日 京橋区民館
写真に575を詠んで楽しむ会です

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