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2月例会作品   春旭

 歳時記に載っている季語で、なぜこの言葉がこの季節に分類されているのだろうと疑問に思うものがあります。
 今回の拙作に遣った「火事」もそのひとつです。火事などは季節と無関係に各地で発生しているだろうに、何故か「冬」の季語になっています。冬は火を使うことが多い上に、空気が乾燥しているので物が燃えやすく火事が発生しやすいからなのだろうと推測することにしましょう。
 
 今回は、あまり遣われる機会の無い「火事」の季語に挑戦してみました。
 ねずみ穴
  「遠火事や圓楽で聴くねずみ穴」  春旭

 「ねずみ穴」とは落語の演目のひとつです。ストーリーは、亡父の遺してくれた田畑を遊びで全て使い果たしてしまった百姓竹次郎。困窮した挙句、江戸に出て成功している兄を頼って来たのだが、兄の貸してくれた金はたったの三文。怒った竹次郎はこれを契機に一念発起して結果自分も大店の主人になり、妻子にも恵まれ幸せな暮らしを得る。
 ある冬の日、竹次郎は借りた三文の金に多額の利息を付けて兄のもとを訪れる。そこで兄からあの時の三文の意味を知らされ、初めて竹次郎は納得し、兄弟で酒を酌み交わす。勧められるままに、その夜兄の家に泊まった竹次郎の耳に遠くから聞こえる半鐘の音。さあ、その夜を境に竹次郎の運命が暗転に向かうのだが・・・というお話で、火事が効果的に遣われています。
 ちょっとしたあらすじを書きましたが、最後に大どんでん返しが待っていたりしてなかなかいい話です。あまり有名な話ではないので、ご存知の方は少ないでしょうが、ご興味のある方はユーチューブなどでご覧になってみてはいかがでしょうか。
 この演目は、三遊亭円生や立川談志が得意としていましたが、先代の圓楽のも名演です。小生はこの話を最初に圓楽で聴いたので、圓楽の演る「ねずみ穴」にことのほか思いが深いです。
 今回のこの作品は、かなりの落語好きでないと理解出来なかろうと覚悟をしていましたが、案の定の結果となりました。でも、浩助さんがこの「ねずみ穴」をご存知の様子だったので、かなりの落語好きと推察いたしました。

 最後にこの写真は何?とのご質問に。
 いくら何でも本当の火事現場はあまりにも不謹慎で撮れないので、これは遊園地の遊具をスローシャッターで撮ったものです。石田さんから「なるほど火事に見えるね」とのお言葉を頂き有難うございました。

Tag:例会  comment:8 

Comment

さちえ URL|
#St4TUToA Edit  2016.02.21 Sun08:22
 「ねずみ穴」にも「ガラスの顎」にも
 反応が出来なかった情けないさちえですが、
 昨夜、春旭様お勧めの落語「ねずみ穴」を聞いてみました。
 五代目三遊亭圓楽と立川談志、両師匠。
 なるほど、「遠家事」「ねずみ穴」が繋がった一夜でありました。
 ありがとうございました。

 春旭さま、季節の変わり目です。くれぐれも
 土蔵、でなくて五臓をお労りくださいますように~・
 お後が宜しいようで。(^^)/
 
春旭 URL|
#- 2016.02.21 Sun16:07
 さちえさん、早速「ねずみ穴」鑑賞なさいましたか。結構いい話でしたでしょう?滑稽噺や与太郎噺も楽しいですが、こういったひねりの効いた噺も落語の魅力のひとつです。
 「ねずみ穴」はサゲの「五臓の疲れ」が今は死語になっている所為で、観客に上手く伝わらず、したがってあまり高座にかかる機会が少ない噺です。
 でも、思いがけずこれで確実に「ねずみ穴」ファンを最低でも一人増やしましたな。
みすず URL
#- 2016.02.21 Sun17:26
春旭さん

落語は新宿の美容学校に通っていた頃、末広亭に良く入りました。
まだ22歳なのに落語が好きなんて言うと友達に笑われました、でもあの
雰囲気がたまらなく好きで学校帰りの寄り道・・・

歌舞伎町を抜けて新大久保あたりの学校だったので映画館や歌声喫茶にも、
これは学友と・・・ロシア民謡などを朗々と歌う人に憧れたり (^o^)

ところで「ねずみ穴」は聴いた事がなく、春旭さんの句の遠火事とねずみ穴
の接点が理解できず採れませんでした (^o^)
後で説明をお聞きして納得したわけで。
 

春旭 URL|
#- 2016.02.21 Sun19:34
 みすずさんは新宿末広亭ですか。私が通ったのは、上野鈴本演芸場か有楽町の今は無き東宝名人会でした。ただ学生で小遣いが乏しかったものですから、ラジオやテレビの演芸番組が主でした。あの頃は今と違って、演芸番組を各局競ってやっていましたね。名人から爆笑派まで揃っていて、贅沢な時代だったなと今になって思います。
 みすずさんも機会があれば「ねずみ穴」聴いてみて下さい。さちえさんに続いて二人目の新規ファンになりますよ。
浩助 URL|
#- 2016.02.22 Mon17:45
みすずさんも春旭さんも落語ファンでしたか。
こりゃ嬉しい。
僕は「ねずみ穴」で、ピンときたのですが
残念ながら写真の「火事」が読めなかった。
パッと見たときに、竹でできた桶の「タガ」に見えてしまって(笑)。
人間って、一度そう見えてしまうとなかなか修正がきかないものですね。
春旭さんから種明かしされるまでわかりませんでした。

この話は先代の圓楽さんも良かったのでしょうが
今の噺家では柳家喜多八がうまいですよ。
ちょっと陰気な感じで「死神」なんてやらせるとやたらうまい人ですが、
それだけに人情の裏表がベースになっているこの話はぴったりです。

今後、銀座フォト句会で俳句ネタを出しても、
3人は理解者が居るということですね。
…あ、さちえさんも入れて4人か。









春旭 URL|
#- 2016.02.22 Mon19:44
 浩助さん、コメントをありがとうございます。
 柳家喜多八さんを存知上げませんでした。先代小さん師匠のお弟子さんでしょうか?浩助さんがお気に入りの噺家なら、相当な実力者なのでしょう。機会があれば聴いてみたいと思います。浩助さんご贔屓の古今亭志ん朝には、残念ながらこの噺のCDやDVDがありませんね。どこかで演っていそうですが、志ん朝の好みのネタではなかったのかも?
 今回の句の候補には、「遠火事やトリは富久黒門町」というこれも落語ネタの句もあったのですが、落語ファンでないとトリ(興行の最後に出て来る演者)も、富久(落語の演目のひとつで火事が効果的に使われている)も、黒門町(住まいがあったことから先代桂文楽の代名詞)も理解不能だと思い没にしました。
 「鶏肉買うなら黒門町にある富久という肉屋がいいよ。という句なのですか?」なんて解釈されたら堪りませんからね。
たんと URL|
#/LMPCG5A Edit  2016.02.29 Mon15:38
またまたひと月が経ってしまいましたが相変わらずご盛会の例会ですね。
遊園地の遊具が火事現場になるとはさすがの撮影技術。
↓「薄ら氷やガラスの顎のチャンピオン」にも
かつてそのようなチャンピオンがいたなと想いを膨らませたところです♪
春旭 URL|
#- 2016.02.29 Mon18:56
 たんとさん、今月もコメントをありがとうございます。
 2月は逃げる月といわれるだけあって、あっという間に過ぎてしまった感がありますね。でも、今年は一日得をしましたが。

 撮影技術なんて面映ゆい。悪戯半分で偶然撮れたものです。無理やり火事現場にこじつけた、それこそ冷や汗ものの駄作です。

 薄氷の句も写生句が苦手なので、奇手で逃げるしか他に手が無かったというのが本当のところです。
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