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8月例会作品②   春旭

   背信が映る鏡
      「背信が鏡に映る夜の秋」   春旭

 この作品の要諦は句の「夜の秋」にあります。「夜の秋」は「秋の夜」と間違われやすいのですが、夏の季語です。
 その意味するところは、夏の終わり頃の夜に何となく秋めいた気配があることで、秋の夜の長さや冷やかさや、寂しさを詠むこととは微妙に違いがあります。
 夏の中にふと内在した秋。それを一種の裏切り行為、背信と捉えました。
 写真の主人公が誰に対してどんな背信をしているかはご想像にお任せしますが、もしかしたら本人も気付いていなかった背信の芽生えを、鏡に映った己の姿に発見したという解釈も成り立ちます。また、外見を取り繕って表情や態度には背信を隠しているが、鏡に写った姿にはハッキリと背信が見て取れているという解釈も成り立ちます。
 
 こういう場合の小道具として、鏡はこれ以上無い役割を果たしてくれます。虚像と実像。鏡に映った姿は、自分であって自分でないのです。左右を逆に映し出す鏡は、「夜の秋」そのものなのかも知れません。

 この作品に票を入れて下さったみすずさん、ふらりさん、さちえさん、浩助さん、ありがとうございました。

Tag:例会  comment:4 

Comment

幸恵 URL|
#St4TUToA Edit  2016.08.22 Mon21:14
 春旭様
  背信、鏡、夜の秋とくれば、選ばずにおられましょうか。
 それと、このお写真ですもの。鏡の世界に引き込まれました。
 読み手それぞれの解釈があるのでしょうが、私は
 隠し切れない心変わりのようなものを背信として読ませて頂きました。
 
  先の「雷雨の夜」はまたガラッと雰囲気を意にするものですね。
 お写真の工夫も面白く、ウイットに富んだ一句は
 春旭様の守備範囲の広さをうかがわせるものですが
 電気系統が苦手と仰る春旭さん、苦手がおありで一安心です。
 
春旭 URL|
#- 2016.08.23 Tue13:00
 さちえさん、コメントをありがとうございます。台風の被害は無くてすみましたか?
 拙作をいつも素敵に解釈してくださってありがとうございます。
 フォト句会では、作者が思いもしなかった解釈を読み手の方にして頂くことがあって、新鮮な驚きを感じることがあります。そういう場合、作品が作者を離れてどんどん独り歩きして行くというケースがあります。生みの親としては、複雑ですが反面嬉しくもありますね。さちえさんも、過去の作品の中にそういう作品が結構あったのではないですか?

 苦手なものが多くて、どこが守備範囲なのか自分でもよく分からない春旭ですが、結果オーライで気楽な作品も結構好きでよく作っています。○○貧乏とかにならないよう気を付けなければ・・・と思っているのですが、生来の不器用者ですからその点は心配無いかな?
たんと URL|
#/LMPCG5A Edit  2016.08.31 Wed16:17
良く分かります。
ここは「秋の夜」ではなくて「夜の秋」ですね。
鏡に映るお方の全身、表情からそれが伝わってきます。
それをレンズ通して感じ取られた作者に大喝采です♪
春旭 URL|
#- 2016.08.31 Wed18:51
 たんとさん、コメントをありがとうございます。
 
 季語の微妙な違いを共感して頂けて嬉しく思います。
「夜の秋」は俳句ならではの表現方法で、俳句に物語性や深みを増す効果があるような気がします。
「何も言はず妻倚り添へる夜の秋」 能村登四郎
 こんな場面に、一度でもいいから遭遇してみたいものです。
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