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10月例会作品①   春旭

  捨案山子2
   「寝ころんで風にため口捨案山子」  春旭

 この作品の主人公は、季語でもある「捨案山子」です。写真のどこにも案山子はおろかそれに関連するものは何も写っていないじゃないかと戸惑われるかもしれませんが、作者としては案山子の目線で撮った写真とご理解下さい。
 案山子はお役御免となり田畑から引き抜かれて、仰向けで地面に倒れているのです。案山子の目に映るのは大空と、風に揺れる芒のみ。案山子は、やっと自由の身となり緊張感から解放されたのです。
 これまでは、田畑を鳥獣から護るため四六時中緊張を強いられる生活が続いていたのです。豊作となる為には、鳥獣をおどし防ぐだけでは無く、お天道様にも、あるいは吹く風にも多少の気を遣っていたかもしれません。
 役目を果し終えた今、案山子はもう何の気遣いもせずに済む自由の身となれた喜びに浸るのです。それこそ、地面に大の字に寝ころんで大あくびでもして、今まで多少敬語を遣っていた風にもため口を叩いていると想像してみて下さい。
 しかし、それは束の間の喜びなのかもしれません。明日からは何もする事がありません。あの充実した日々はもう帰って来ません。農家の人から何らかの期待をされることも無いのです。そう、案山子はもうじき知ることになるのです。自分の名前の頭に「捨」という字が付いたことを・・・。

 この作品に貴重な票を入れて下さった、伊都子さん、さちえさんありがとうございました。特にさちえさんの作品とは偶然すすき繋がりになり、またお互いの作品にそれぞれ票を入れ合っていたのには笑ってしまいました。

Tag:例会  comment:2 

Comment

幸恵 URL|
#St4TUToA Edit  2017.10.25 Wed20:00
 春旭様
  私のススキにも貴重な一票を有り難うございました。
 付き過ぎだった私の物とは大違いです。
 
  捨案山子の役目を終えた寂しさと、だからこそきけた「タメ口」。
 この「風にタメ口」がとても面白く惹かれました。
 そして、この「捨案山子」こそ、定年を迎えた多くのサラリーマン諸氏の
 本音では?と思うところです。
 ただし、捨てられたのではなく、
 捨ててきた!であることは十分承知しております。(^_-)-☆
春旭 URL|
#- 2017.10.25 Wed23:56
 さちえさん、コメントをありがとうございます。

 この作品は、仰しゃる通り昨年の3月に定年を迎えた小生の経験から作ったものです。
 いざ念願の自由人となったものの、それを満喫できたのは精々最初の1か月ぐらいなものでしたね。後はもう代わり映えのしない、ただ毎日が続くだけ。
 仕方がないので、妻の手伝いに家事を見様見真似でやってみたのはいいのですが、連日妻から厳しいダメ出しを喰らっています。作品の案山子の様に、捨てられないようにしなくっちゃ!(笑)
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