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10月例会作品   春旭

  パンドラ
  「パンドラが箱持て余す神無月」   春旭

 写真の建物は、千葉市にある写実絵画専門のホキ美術館の外観です。この建物は、日本建築大賞を受賞しています。一本の支柱も無い、長い箱の様なユニークなデザインが印象的ですね。因みに、この中が当美術館の売り物の写実絵画のギャラリーになっています。建物も、中の絵画も一見の価値あり。凄いです。ご興味のある方は、ぜひ行ってみられることをお薦めします。

 さて句の方ですが、この長い箱のような建物をパンドラの箱に見立てました。ゼウスがパンドラに、あらゆる災いを封じ込めて人間界に持たせてよこした箱。「決して開けてはならぬ」と言われれば、パンドラでなくとも誰だって開けてみたくなる衝動に駆られますな。
撮影当日があまり天気が良くなかったのも幸いして、この怪しげな雰囲気を出せました。あらゆる災いが、これから吐き出される寸前を句にしました。さぞかし世界中に災いが飛び出して行くことになるでしょう。防ぎようがありませんな。何しろ、神様の居ない月ですから。
 この作品に、ふらりさん・みすずさん貴重な一票をありがとうございました。




  穴惑ひ
  「穴惑ひ北斎またも転居癖」   春旭

 「穴惑い」とは、蛇が仲秋を過ぎて寒くなってもまだ穴に入って冬眠せずに地上で徘徊していることです。
 写真のレンガの壁に空いた穴から、蛇の巣穴に発想をとばしました。
 穴惑いの季語をどう処理しようかと悩んだあげく、蛇にも負けない個性の強い葛飾北斎を取り合わせました。
 皆さんご存知の通り、北斎はその生涯で何と93回もの引っ越しをしたという逸話がありますね。どちらも、ねぐらが定まらない者同士として詠んでみました。果たして、響き合ったでしょうか?
 この作品に、石田さん・みすずさん貴重な一票をありがとうございました。

 余談ですが、北斎が転居を繰り返した理由というのが笑ってしまいます。北斎も同居していた北斎の娘も、およそ掃除や整理整頓の類が苦手で、家の中は散らかり放題にしていたそうなんですな。それで、ゴミやガラクタで足の踏み場がなくなると、仕方なく転居、また転居を繰り返したんだそうです。それを実に93度。いい加減に掃除ぐらいしろよ!とツッコミを入れたくなりますね。
 この話にはオチがあって、北斎の最後の引っ越し先は北斎が以前住まいにしていた家だったそうです。しかしその家は、北斎が以前住んでいた時と同じ状態で足の踏み場も無く散らかったままだったらしいです。ずっと借り手がなかったんですね。(笑)

Tag:例会  comment:2 

Comment

幸恵 URL|
#St4TUToA Edit  2018.10.25 Thu09:32
春旭様

 秋が急に深まってきた感のこの頃です。神無月も終わろうとしておりますね。今回の(も)春旭さんの兼題句といい写真俳句二句といい、共に格調高く、その上その豊富な知識による展開に、お粗末幸恵は付いて行けませんでした(^^;)。

 細ると言えば太るしか連想できない私ですが「膨る」それも「闇が膨る」と広がる措辞や、「穴惑ひ」「北斎」「パンドラ」等々を駆使された自由自在さと、作句時にそれらを楽しんでおられる春旭さんのご様子が伝わってきます。
 
 余談のくだり、これも楽しく読ませて頂きました。オチまで付いて春旭さんのお好きな落語を一席伺ったような得した気分です。有り難うございました~(^^)/。
春旭 URL|
#- 2018.10.25 Thu10:57
 さちえさん、コメントをありがとうございます。
 お褒め頂き恐縮です。(汗)付いて行けないなどと仰らないで下さいよ。私の方こそ、さちえさんの行動力やそのカメラテクニックや編集センスにいつも感心しています。付いて行けないのは、寧ろ私の方です。これからも宜しくお付き合いのほどを・・・。

 今回は、パンドラと北斎の個人的イメージに助けてもらったような気がしています。有名人を句の主役や脇役に使うと、たまに便利な時がありますね。反則ギリギリかな?(笑)
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