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虎落笛   春旭

 冬の季語「虎落笛」。冬の烈風が竹垣や電線などに吹きつけて、笛のようなピューという音を鳴らすことです。まず、読めませんな。
 「虎落笛と書いて、もがりぶえと読むんだ。俳句に精通した人でなければ、まず読めないよ!」と誰かから言われたことがあります。
 ところがどっこい、私は読みを知っていたのです。エヘン!(笑)
 タネを明かすと、劇画「子連れ狼」の一編にこの言葉が出て来たことがあったからでした。
 拝一刀が強敵弁天来三兄弟の長兄の頸部を斬り裂いた際、ピューという音と共に噴き出す血潮。斬られながら長兄が「まるで、虎落笛だ。儂もこのように一度斬ってみたかった・・・」と言いながら絶命する場面。記憶に刷り込まれました。劇画もまんざら無駄にはなりません。劇画から季語を勉強するなんざ、如何にも春旭らしいでしょう?(苦笑)
 
 そこで、カシャッと一句!(実は、この作品を第2回ネットフォト句会作品として出す予定でした)

  虎落笛・殺意
  「虎落笛我に果せぬ殺意あり」   春旭

 皆さん、これまでの人生の中で何人か嫌な奴と遭遇しませんでしたか?誰にでもそういう奴がいるものです。私も60余年の人生の中で、二人ばかり殺してやろうかと思った奴がおりました。でも、それを本当に実行に移したらとんでもないことになってしまいますので、仕方なく心の中で子連れ狼に一殺五百両で刺客依頼をしていました。(笑)




 そして2月例会俳句部門の写真付き拙句

  鎮魂の虎落笛
  「鎮魂の曲となりゆく虎落笛」  春旭

 母が亡くなった1月26日の夜は、強風が吹き荒れておりました。病室の窓から外を見ると、木々が大きく揺らいでいるのが目に入ります。ピューという風音が、まるで誰かの泣き声のように私の心の中まで響いて来ました。母の耳には、最期の瞬間まであの風音がどのように聞こえていたのだろうか・・・。
 そして、その風の中、母の魂は天に召されて逝きました。享年91歳の生涯でした。
 この句に特選・ふらりさん、並選・石田さん、たんとさん、貴重な票をありがとうございました。

Tag:未分類  comment:2 

Comment

耕人 URL|
#- 2019.03.12 Tue11:46
春旭さん
2月句会の御句「鎮魂の曲となりゆく虎落笛」、
写真が付くとさらに良くなりますね。
自句解説も、読むほどに心に沁みます。

「虎落笛我に果たせぬ殺意あり」
春旭さんの知られざる心の内を垣間見たような気もして
とても意外でした(劇画の中の思い出がモチーフとは言え…)。

結局、俳句も写真も自分の内面発露とその観照なのですね。
そして、自分に正直に…がその肝となるのでしょうね。

写真が両方とも素晴らしいと思いました。
特に「殺意」のほうの夕暮れの写真が。
空に舞っているのは枯れ葉でしょうか。
その意味では「虎落笛」の季題にはより相応しい写真でしょうね。
空を渡る強い風が感じられます。

敬服しました。



春旭 URL|
#- 2019.03.12 Tue19:38
 耕人さん、コメントをありがとうございました。

 写真をお褒め頂き恐縮です。おっしゃる通り、「殺意」の写真の上空に舞っているのは枯葉です。この時は本当に虎落笛が鳴っていましたから、ある意味ベタ付きの写真かも知れませんね。でも、私の写真ストックの中で「虎落笛」を表現するのには、これがベストショットと思いセレクトした次第です。

 耕人さんには、子連れ狼や必殺仕事人に依頼する奴がいなかったようですね。それは偏にご人徳の賜物です。でも、正直今までに後ろから指鉄砲で撃ってやったぐらいの奴はいたでしょう?(笑)

 こんなバカな事を書いている私も、逆に誰かから刺客を差し向けられているかも知れないから後ろに注意しなくっちゃ!(汗)
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